実は身近なところで活用中の機械学習とは

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最終更新日:2021/06/01

機械学習とは

機械学習とはAIのひとつの分野であり、人間が色々な経験を積むことで知識を得て学習していく能力を、コンピューターで実現しようとする技術である。複数のデータから反復的に学習を行い、そこに潜むパターンをコンピューターが見つけ出す。さらに学習した結果をもとにして新たなデータにあてはめ、未知のデータに対しての予測を行うこともできる。
機械学習でよく聞く例として画像認識技術がある。 飛行機の画像をいくつも学習させることで、複数の画像の中から共通する特徴を見つけ出す。すると様々な角度から撮った飛行機の写真も、飛行機のイラストでさえも、「これは飛行機の画像である」と認識させることが可能になるのだ。
近年では企業が利益や競争優位性を向上させるために導入を必要とする、高度な分析の一種である予測分析を自動化できる技術として、大きく期待が寄せられている。

 

 

AIや機械学習とディープラーニングの違い

よく、意味を混同したまま使われがちである標題の言葉たちだが、わかりやすく表記すると「AI > 機械学習 > ディープラーニング」となるAIの中の一部分に機械学習があり、機械学習の中の一部分にディープラーニングがある。このディープラーニングは2010年ころから活用が爆発的に増えている。

機械学習はコンピュータが分析の基準とする情報を人間が指定し、調整する必要がある。手を加えることで予測や認識の精度を高めているのだ。しかしディープラーニングは、このような調整も学習も全て自動的で行えてしまい人間が判断する必要がない。人間が見つけられない特徴を学習できるようになったことで普及が広まったのだろう。

 

 

機械学習が成長した3つの要因

機械学習のここ数年の急激な成長には3つの要因が関係すると考えられている。

1.AI技術の進化

前述で述べた機械学習のディープラーニングなどAIに関係する技術の進化と普及により、新しいAI商品が次々と作り出されている。

2.コンピュータ処理能力の向上

20年程前にコンピュータの計算速度を向上させる「並列処理」ができるGPU(画像処理装置。単純かつ大量のデータを短時間で処理する能力に長けている)が登場した。それぞれのコンピュータの性能を向上させ、さらに並列処理を行うようになった。1台で計算するよりも2台3台で連携したほうが計算は速くなり、これらの技術の進歩によってコンピュータは今まで以上に短い時間で大量のデータを処理することが可能になった。

3.ビックデータの出現

SNSやPCやスマートフォンで大量のデータを簡単に集められるようになったことで、そのデータを分析し、その中から有益な情報を得る、活用するという目的が生まれるようになった

 

 

 

機械学習の3つの種類

機械学習を行うためのベースは大きく3つに分けられる。

 

 

・教師あり学習

教師あり学習を行うには「入力データ」と「正解データ」のセットである「教師データ」が必要になる。人間がコンピュータに対して大量の「入力データ」と「正解データ」を投入することでコンピュータが入力データの特徴を読み取り、正解データを学習していく。最初に例に挙げた画像認識のことである。「入力データ」に大量の画像データを投入し、「正解データ」には生き物、食べ物、などのカテゴリを指定することで、入力データの特徴やルールを学習し特定の画像を見せたとき、画像がどのカテゴリに属するのかを判定することが可能になる。

・教師なし学習

教師あり学習と異なり教師なし学習には「正解データ」が与えられていない。教師なし学習では主にデータそのものが持つ特徴をコンピュータが分析し、カテゴリ分けを行う。大量の画像を読み取り、そのデータのパターンだけを見てデータの類似点を探すのだ。あらかじめカテゴリの指定などの指示が与えられていないという点で教師なし学習とは大きく異なっている。

・強化学習

強化学習は、ロボット工学やゲーミングなどでよく使われる機械学習の方法で、どの行動が最大の報酬をもたらすかの手順を突き止めていく手法だ。簡単に言うと「機械がとる行動の指針を改善していく仕組み」を学ぶことだ。

強化学習は教師あり学習にも似ているが、教師による明確な答えは提示されない。一連の行動をとった結果ごとに報酬を設定し、その「報酬が最大化」するように機械が試行錯誤し、学習することで精度をあげていく。

 

 

 

 

身近なところにある機械学習

・ECサイトのおすすめ商品

Amazonや楽天のサイトやアプリを開くと、「おすすめの商品」を紹介してくれるだろう。この表示がされるのは、機械学習によって、「この商品を購入した人は、こんな商品も購入する人が多い」というルールが導き出されているからだ。ユーザーの購入履歴から商品の購入傾向や大量のデータを基にさらに分析すれば、個人によって異なる購買需要も正確に予測できる。商品検索時に表示される莫大な検索結果の中から、最もユーザーの興味関心が高いと予想される商品ページを特定し、優先して表示させることが可能である。

・Googleフォトの顔認証

Googleフォトを使用していると「この人とこの人は同一人物ですか?」と問いかける表示が出てくることがあるだろう。これはまさに機械学習が行われており、大量の写真から顔を識別して人物や被写体をカテゴリに分け、一人一人のアルバムを自動で作ってくれている。さらに、人間だけでなく動物の写真の分類も可能だ。「犬」「猫」ではなく「柴犬」や「三毛猫」などの品種を区別することができるというのだから驚きだ。より細かく、1つ1つの個体も認識できるようになっている。

 

 

 

 

まとめ

機械学習の技術はECサイトのおすすめ商品やSNSのあなたに合った投稿…といった表示、写真の顔認識からスパムメールの検知や自動車の自動運転など、様々なサービスに利用されている。
このように、機械学習によって、ひとつひとつの作業を人間がプログラムしなくても、AIが自分で大量のデータを分析してタスクを実行してくれるため、AIはさまざまな分野で活用されるようになったのである。
人工知能の研究はこれからさらに進められ、ディープラーニングや機械学習の技術はさらに発展していくだろう。これまで以上に人工知能がさまざまな分野に応用され、日常生活に取り込まれていく。理解してうまく活用し、さらに便利なサービスとなっていくのである。

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