近頃よく聞くノーコードとローコードとは?メリット・デメリットと事例紹介

ツール活用

最終更新日:2021/12/06

ビジネスとITの関係が強くなる中で、ビジネス現場主導でのアプリケーション開発は、今後急速に拡大することが予想されます。ビジネスの現場にいる人たちが、自分たちのビジネスに必要なアプリケーションを自分たちの手で開発する傾向が出てきています。そして、これからの開発は、現場のニーズをアプリケーションに反映させ、現場の改善要求を速やかに実行することが求められます。
しかし一方で、専門的なスキルを持った技術者は足りていません。つまり技術者によるアプリケーション開発(プロコード)では現場の求めるスピードに間に合わないということです。そこで、その解決手段として、ローコード/ノーコード開発ツールに注目が集まっています。
今までの開発(プロコード)とノーコード・ローコードの違いについてまとめたのが以下の表です。

ノーコード・ローコードの開発ツールとして代表的なのが、ウェブサイト構築するための「Wix」や、ECサイト構築の「Shopify」、アプリ開発の「Bubble」、業務効率化の「Airtable」、業務アプリケーション開発のMicrosoft「PowerApps」やGoogle「AppSheet」、顧客管理のSalesforce「Lightning」などが挙げられます。

 

 

 

 

ノーコードのメリット・デメリット

ここではソフトウェア開発におけるノーコードを導入することのメリットとデメリットについてご紹介します。

 

 

ノーコードのメリット
ノーコードのメリットから見ていきましょう。

 

メリット1. プログラミングスキルがなくても開発できる

エンジニア・プログラマーのようなプログラミング言語の知識やスキルも必要としません。ノーコードはコードを記述する必要がないからです。
そのため、専門的なスキルや経験を持っていない人でも開発に対する敷居が低く参入しやすいです。ただ、開発ツールは使えなければなりませんので、最低限のITスキルは必須と言えます。

 

メリット2. スピーディーに開発できる
プロコードによる、コーディングを行う開発は、コーディング自体に時間がかかります。コーディングを伴う開発の場合、プログラミング言語の文法を間違えていると、プログラム自体が実行できずにそのエラー修正に時間を取られることが多いです。
その点、ノーコードはコードを記述することがありませんので、プログラミング言語の文法ミスによる修正時間を無くすことができ、よりスピーディーに開発を進めることができます。

 

メリット3. 開発コストが抑えられる

開発に必要なプログラミングの知識・スキル・経験を持つ人材を見つけてプロジェクトに入ってもらうのにはそれなりのお金が必要です。特に専門的な技術を持つ人ほど高くなります。そして、1人でコーディングを行うとより時間がかかるので、時間短縮のために人を増やすほど余計にお金が必要です。
ノーコードでは、コードを複数人で記述することを1人でもできるくらいに作業量を減らすことができ、開発コストも抑えられます。

 


ノーコードのデメリット
ノーコードのメリットは、最低限の知識があれば使えることが特徴です。
続いて、ノーコードのデメリットを見ていきます。


デメリット1. 機能拡張ができないことがある

ノーコードは基本的に開発ツールに用意されている機能を使って開発するため、全く新しい機能を追加することはできません。プログラミング言語ほどの柔軟性はないということを覚えておきましょう。


デメリット2. 大規模開発には不向き
業務基幹システムなどの開発にノーコードは適していません。ノーコードを使って開発可能なのは、小規模レベルでの利用だと思っておくとよいです。

 

 

 

 

ローコードのメリット・デメリット

ノーコードのメリット・デメリットを紹介しましたが、知識があまり無くても導入できる分、大規模なプロジェクトには向いていないことが分かりました。
続いては、ローコードを導入する際のメリット・デメリットを紹介していきます。

 


ローコードのメリット
ノーコードのメリット「プログラミングスキルがなくても開発できる」「スピーディーに開発できる」「開発コストが抑えられる」もローコードのメリットと言えます。それ以外にローコードにはどんなメリットがあるのか見ていきましょう。


メリット1. 高い拡張性
ノーコードは開発ツールに最初から実装されている機能以外をコードで実装することはできません。
一方、ローコードは開発者が自分で自由にコードを追加し、プラスアルファの機能を実装することができます。そのため、高い拡張性を持ち、利用目的も限定されません。


メリット2. 既存のシステムとの連携が可能
ローコードには他のソフトウェアとの連携が初期状態から可能です。そのため、連携機能を使ってコードを記述することによって、既存のシステムと連携するシステムを構築することも可能です。
環境構築に時間を使うことの多いソフトウェア開発の工数の短縮にもつながります。

 

 

ローコードのデメリット
ローコードのメリットを紹介しました。続いて、ローコードのデメリットにはどんなことが考えられるのか見ていきましょう。

 

デメリット1. システム開発の自由度が低い
ローコード開発は、開発ツールによってはシステム開発における自由度が制約されます。つまり、プログラミング言語を用いる場合のように、顧客からの細かい要望に対応できるとは限りません。


デメリット2. ある程度のプログラミングスキルは必要
ローコード開発では少ないとはいえ、コードの読み書きをする業務が発生します。ツール上でのドラッグ&ドロップでは開発できないプログラムなどです。
また、バグが発生した場合はコード全体の中のどこで問題が起きているか、原因を探して修正するデバッグ作業が発生するということです。デバッグにはある程度のプログラミングスキルが求められます。

 

 

 

 

ノーコードとローコード導入のポイント

ここでは、ノーコード・ローコード開発の事例を紹介しながら、どのような便利さがあるのかを見ていきます。


Amazon Honeycode
AmazonはAWSに対応したノーコード開発環境「Amazon Honeycode」を提供しています。表計算ソフトのような画面に、データやボタンを配置していくことで、ウェブアプリやモバイルアプリが開発できます。休暇申請や在庫管理といったテンプレートも提供されているため、自社のシステムがAWSを利用しているのであれば、アプリケーションを簡単に開発することが可能です。


kintone
サイボウズ社はノーコード・ローコード開発環境「kintone」を提供しています。kintoneは、自分たちの業務に合わせたシステムを自分たちで作ることを可能にするプラットフォームです。すでに業種や企業規模にかかわらず20,000社の企業で活用されています。一般的に、データを紙やメール、Excelなどさまざまな形式で担当者ごとに管理していると、業務チームや部署内などの複数メンバーでの共有や活用が難しくなります。しかし、kintone上にデータを集約すれば、共有・活用がしやすくなるというメリットがあります。

 

 

 

 

ノーコード・ローコードの特徴を理解して導入しよう!
時代の変化も速く、意思決定のスピードを求められるのがビジネスの現場です。だからこそ、ビジネス現場主導でのアプリケーション開発を必要とする声も多くなっていきます。技術者がいなくて開発できない、アイディアはあるが、外部に委託するお金がない、と諦めるのではなく、ノーコード・ローコード開発に取り組むことで、ビジネス現場で起きていることのスピード感ある課題解決に取り組んでみましょう。

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