幅広い経営課題の解決に役立つ!「サーバー仮想化」とは?

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最終更新日:2022/02/21

「サーバー仮想化」という言葉は耳にするが具体的な意味が分からないという方が多いのではないでしょうか。

一言で説明すると「1台のサーバーを何台もあるように見せかけて、それぞれの目的で別々に使えるしくみ」のことです。具体的な例として、企業が業務やサービスの規模を拡大したい場合にはサーバーの増設を検討します。

 

しかし、単に増やすだけでは、高額なコストが発生。

 

そうした場合にサーバー仮想化の技術を使えば、管理コストを大幅にカットすることが可能となるのです。

また、仮想化したサーバーの情報を遠隔地にあるバックアップサイトにコピーしておけば、災害時などのリスクマネジメントにも活かせる等、様々な経営課題の解決に役立ちます。

 

この記事では、サーバー仮想化の詳細、メリット・デメリットなどについて詳しく解説します。

 

 

 

 

サーバー仮想化とは?

まずは、サーバー仮想化について見ていきましょう。

 

サーバー仮想化とは、実際は1台しかないサーバーを複数台あるかのようにユーザー側に見せかけて運用し、複数のオペレーションシステム(OS)を用いて実行する技術のことです。従来のサーバーは、1台の物理サーバーに1つのOSやアプリケーションをインストールし、特定の役割を与え動作させるだけでした。しかし、サーバーを仮想化する事により、複数のサーバー環境としての運用が可能となり、CPUやメモリなどのハードウェアリソースを分割し、複数のアプリケーションを効率的に動作させる事が可能となりました。

 

 

物理サーバーと仮想サーバーの違い

「物理サーバー」は、企業や学校などにおいてデータを一括管理する、物理的に存在するサーバーのことです。仮にサーバーへの負荷が重くなり、新規に導入して負荷を軽減したい場合には、サーバーを増設する必要があります。

一方、「仮想サーバー」は、ソフトウェアによっていくつかのハードウェア(アプリケーション、ネットワークやOS等を含む)を統合したり、分割したりするサーバーのことです。

 

 

サーバー仮想化の方式

サーバーの仮想化には大きく分けて3つの方法があります。ここではその3つの方法「ホストOS型」「ハイパーバイザー型」「コンテナ型」についてそれぞれ簡単に説明します。

 

①ホストOS型

ホストOS型とは、ホストOS(Windows、Mac等)に仮想化を実現するためのソフトウェアをインストールし、LinuxといったゲストOSを動かすしくみ。

ソフトウェアをベースとして、ホストOSへアプリケーションを入れことで、手軽にサーバーの仮想化が可能です。

ただし、ホストOSを経由しての運用となるため、複数のOSを作動させた場合、処理速度が下がるといったデメリットもあります。

 

②ハイパーバイザー型

ハイパーバイザー型とは、運用中のサーバーへハイパーバイザーといわれる専用のものをインストールし、ホストを経由しないでゲストOSやアプリケーションを動かすしくみ。ゲストを直接制御したことで、ホストよりも処理速度が速くなります。

ただし、ハイパーバイザー型に未対応のサーバーもあるため、導入時には対応しているか確認することが必要です。

 

③コンテナ型

コンテナ型は、コンテナ管理ソフトウェアを使用することにより、サーバー上のOSが仮想化されるため、アプリケーションの実行環境を管理する際のOSの管理が不要。

コンテナ管理ソフトウェアによってコンテナごとに管理され、ひとつのOSで利用するのでCPUやメモリなどの負荷が小さく、アプリケーションのスピーディな起動が可能です。

 

 

 

 

 

仮想化におけるメリット

ここからは、仮想化におけるメリットについてご紹介します。

 

 

1. 設置スペースを削減できる

サーバーの仮想化をすると1台の物理サーバー上で複数の仮想サーバーを動作させられます。したがって設置されていたサーバー台数を大幅に削減でき省スペース化に繋がります。また稼働する物理サーバーが減るということはスペースだけでなく電力や管理リソースも減るのでコスト削減に繋がります。

 

 

2. リソースを有効活用できる

例えば、部署ごとにサーバーを利用している場合、物理サーバーごとのCPUやメモリなど使用率は低くサーバーリソースを使い切れていないケースが多いです。そこでこれらの物理サーバーを仮想化し1台の物理サーバーに集約することで、サーバーリソースの有効活用ができます。

 

 

3. 新しいサーバーを速やかに用意できる

社内で新しい業務システムやサービスを導入したり開発検証を進めたりなど、新しいサーバーの用意が必要なシーンは少なくないと思います。そういう場合にサーバーの仮想化ができていれば、新しく物理サーバーを購入し設置する手間なく安価かつ速やかに新しいサーバーの手配が可能です。またサーバーの台数を増やすことで、システムの処理能力を高めるスケールアウトも、仮想化により手軽に行うことができます。

 

 

4. BCP対策の実現

BCPとは自然災害などの緊急事態の際に事業資産への被害を最小限に食い止め、事業を継続できる方法を取り決めておく計画のことです。サーバー仮想化の環境が整っていて仮想サーバーの情報を遠隔地にあるバックアップサイトにコピーしておくことで速やかに同じ環境を手配することが可能です。仮に突然の大災害などで事業がストップしてしまうようなことがあっても、短時間で業務を再開することが可能です。

 

 

5. 最新のハードウェアを活用できる

仮に既存のシステムが新しいOSに対応しない場合でも仮想化環境を構築しておけば最新ハードウェアを利用することが可能です。これにより、既存のシステムやアプリケーションを今後も継続して使い続けることができます。

 

 

 

 

仮想化技術はどのようなことに使用されているのか

では、実際に仮想化技術はどのようなことに使用されているのでしょうか。具体的な例をご紹介します。

 

システム更新

現行サーバーシステムのハードウェアが老朽化すると、故障頻度が増加したり、サーバーベンダのサポート期間が終了したりします。そうなると、ハードウェアを新しく更新しなければなりません。

サーバーの寿命は5~7年程度といわれていますが、更新をする度に性能が向上したサーバーが登場しており、以前の2倍、もしくは3倍の性能になっていることも珍しくないのです。

 

しかし、その割には業務システムの負荷がそれほど増加しないので、サーバー更新のタイミングで台数を削減して複数のシステムを統合したくなってきます。これが、システム更新時に仮想化を利用したがる理由です。また、仮想化を利用すると負荷が増加しているシステムにはリソースを多めにし、減少しているシステムには少なめにするというように、自由な設計を可能にします。

 

 

サーバー統合

従来におけるサーバーの運用では、ひとつの物理マシンに ひとつの OS を搭載して使用するのが一般的です。

サービスごとにサーバーを置くことには、システムの可用性やセキュリティ向上を図るメリットもあります。一方、CPU の使用率が意外に低いほか、メンテナンスなどの手間や保守費もより多くかかるというデメリットに注意が必要です。

これらの問題を改善する方法のひとつとして、仮想化技術を使ったサーバーの統合が挙げられます。

 

 

リードタイム短縮

リードタイムの短縮は、主に生産業において「短納期による生産」を達成すべく、専用サーバーにて全て管理します。サーバーにおいても、仮想化技術を導入することにより、リードタイムの短縮が図られているのです。

 

 

省エネ

物理サーバーが多ければ多いほど、多大な消費電力が必要となったり、管理に手間がかかったりするため、台数を減らして省エネ効果を図る必要が出てきます。近年のプロセッサは、省電力機能が高まりつつあるので、CPU使用率が低いと消費電力を低下させることが可能です。ただし、CPU使用率が半分に減ったからといって、消費電力の大きな減少にはつながりません。

 

その点、サーバーを統合し台数を減らせば、直接消費電力の削減に効果があります。サーバー台数の削減は、単に省エネ効果が得られるだけでなく、運用の効率化も図れるのです。システム全体のハードウェア障害発生率は構成品点数の大小に比例するため、台数の少ない方が信頼性高く保守の手間が軽くなるうえに、古くなったサーバーの資産管理上の滅却処理といった事務上の処理負担が減ります。

 

 

 

 

まとめ

1台のサーバーを仮想化させるだけで、どれだけ業務の効率化が図れることがご理解いただけたのではないでしょうか。昨今、サーバー運用のコスト最適化や工数の削減が求められる一方、IoT・ビックデータへの対応のためにより高い処理能力もサーバーには求められています。効率のよいサーバー運用をご検討中であれば、サーバーの仮想化を検討してみることをおすすめします。

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