伸びている企業が必ず活用している「API連携」とは?

ツール活用

最終更新日:2022/11/28

業務効率化を図る上でシステムの導入は重要ですが、0から開発するとコストがかかります。API連携を利用すれば、システムやサービスを0から作る必要がなく、開発コストを抑えながら他のサービスと連携しスピーディーな事業展開が可能になります。

 

API」とは、「Application Programming Interface」の頭文字です。

単純に訳すと「アプリケーションをプログラミングするためのインターフェイス」という意味です。

インターフェイスとは、コンピュータ用語でいうと、「何か」と「何か」をつなぐものという意味を持ちます。例えば、USBも「パソコン」と「周辺機器」をつなぐものですので、インターフェイスの一つです。

 

つまり、APIとは、「アプリケーション、ソフトウェア」と「プログラム」をつなぐもの、という意味になります。

 

APIとはソフトウェアやアプリケーションなどの一部を外部に向けて公開することにより、第三者が開発したソフトウェアと機能を共有できるようにしてくれるものです。APIはソフトウェア同士を繋げます。つまり、異なるソフトウェアやサービス間で認証機能を共有したり、チャット機能を共有したり、片方から数値データを取り込み、別のプログラムでそのデータを解析したりできるようになります

ただし、APIは大変便利な機能ですが、IT業界以外の人にとってはあまり聞きなれないかもしれません。ここでは、APIの基礎知識や活用事例について解説します。

 

 

 

 

API連携の意味と仕組み

近年APIという言葉をインターネット上でもよく見かけるようになりました。ここではAPI連携のしくみについて詳しく解説します。

 

 

API連携とは?

APIを活用してアプリケーション同士を連携することを「API連携」といい、アプリケーションや社内システムに公開されているAPIを連携することにより、外部のアプリケーションや機能を利用することが可能です。

ここで簡単にAPI連携の具体例をご紹介しましょう。 

 

【勤怠管理データと給与計算システムとの連携】

<従来のやり方>

従来は給与管理システムにて給与などの計算をする際は社員の勤怠データをCSVなどに出力して、そのデータを手作業で給与計算システムに入れ込む必要がありかなりの工数と時間がかかります。

 

API連携では>

勤怠管理データと給与計算システムをAPIで連携すると社員の勤怠データを給与計算システムに連携することができ 入社時や異動時における社員情報の二重登録や月次の給与処理時に勤怠データを入力する業務がなくなります。またデータ入力や情報共有の手間と時間が省け、効率的に利便性をアップさせることができます。

 

 

 

API連携の仕組み

API連携は、リクエスト(要求)とレスポンス(応答)という構成で成り立っています。APIを使いたいリクエスト側は、APIを提供するレスポンス側へAPIを通して「こうしてほしい」という要求を送り、レスポンス側はAPIを設計して実装・利用可能な状態にするという仕組みです。

 

リクエストとレスポンスについてのルールは、APIを提供するレスポンス側が決めることになります。設計の段階でレスポンス側がサービス利用できる範囲を決めているので範囲外のことはできないようになっています。

 

 

 

 

APIを活用するメリット4つ

さまざまなシーンで利用できるAPIですが、それぞれに活用するメリットがあります。

代表的なメリットとは、以下の4点です。

 

         提供できるサービスが広がる

         利便性がよくなる

         セキュリティが強化される

         開発工数やコストを抑えられる

 

それぞれの項目について、詳しく解説します。

 

 

提供できるサービスが広がる

サービス同士がAPIを連携することでほかのソフトウェアの機能や取得したデータを活用できるため、自らのソフトウェアの機能性向上やさらなるビジネスの考案に役立てることが可能です。

 

 

 

利便性がよくなる

API連携によって、勤怠データと給与システム、売上データと販売管理システムなど、密接に関わる情報同士をあらかじめシステム間で自動連携させておくことができます。これにより、入力作業が自動化され、業務の効率化や作業の省略化が可能です。

また、API連携先のシステムで情報が更新された場合、更新後の情報を自動的に取得することも可能です。情報更新のたびに手動で確認や修正する必要がなく、運用コストの削減も期待できます。

 

 

 

セキュリティ強化と顧客満足度向上が期待できる

会員登録やログインの際のSNS認証を新たに自社開発するよりも既存のセキュリティレベルが高いシステム(FacebookTwitterなど)とAPI連携する方が、ユーザーの安心感や信頼度が上がります。また、ユーザーが新規登録をする必要がないため、顧客満足度の向上にもなります。

 

 

 

開発工数やコストを抑えられる

APIを利用することにより既存のプログラムを活用できるので、改めて一からシステム開発をする必要がありません。そのため、開発リソースを大きく削減することが可能です。削減したリソースを他に必要なリソースに回すことができるため、システム全体の品質向上にも繋がります。

 

 

 

 

APIの活用事例について

APIを利用することでデータの取得がしやすくなったり、システムの機能をより向上させたりすることができますが、実際にはどのように活用されているのでしょうか。システムやアプリケーションによって活用方法は異なりますが、ここでは3つの事例をご紹介します。

                     

 

パターン①/会計・経理・経費計算システム間のAPI連携

会計・経理・経費計算システムが連携していないと、重複入力など非効率的な業務をすることになってしまいます。

しかし、経費精算システムと会計システムをAPI連携することで、経費精算システムの入力データが会計システムに自動取込されて会計処理まで自動完結します。これにより大幅な業務効率化が可能となります。

 

 

 

パターン②/CRMBIツール 間のAPI連携

CRMCustomer Relationship Management)は、顧客との関係維持を主目的に活用するツールとして、顧客満足度を向上させて売上と収益率の改善を目指すことが可能な顧客管理ツールです。

 

一方、BIBusiness Intelligence)は各データから必要な情報を抽出して分析し、自動でレポート作成することで膨大なデータを可視化することができるツールです。

 

従来だとCRMで登録されている顧客情報のデータを分析したり営業活動に利用したりする際は、一度CSVなどに出力してから別のBIツールなどに手作業でデータを移行する手間が発生していました。

 

そこでCRMBIツールをAPI連携すると、大量のデータ分析が面倒なデータ移行作業なしで、迅速かつ正確に行うことが可能になります。企業が市場競争で勝つための、顧客データ分析と適切なアクションの早期化にAPI連携は活用されています。

 

 

 

パターン⓷/名刺管理システム、CRM間のAPI連携

名刺管理システムとCRMAPI連携することで、最新の名刺情報がCRMにリアルタイムに反映されます。今まで多くの時間を要していた顧客情報の管理や更新が自動化されることで営業はコアな営業活動に専念出来ます。

このように営業活動の強化にもAPI連携は活用されています。

 

 

 

 

まとめ

 

 

コロナ禍によるリモート化推進に伴い、企業のIT化は進みつつあります。ただし、さまざまな業務アプリが導入されたものの、それぞれのシステム同士のデータ連携に問題を抱えていて業務効率化が進んでいない企業も多いと言われています。

 

 

このような問題を解決するために、API連携は非常に有効です。システム間のAPIを連携することで、自動かつリアルタイムにデータ処理が行えるようになり、「工数削減」や「データ活用」、「リアルタイム対応」などを実現できるほか、APIの導入で業務効率化が実現すれば、売上増加にも繋げることができます。これを機にAPI連携を導入してみてはいかがでしょうか。

 

 

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