法改正により今後影響する「給与計算」のあれこれ

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最終更新日:2023/06/15

「2023年、2024年の労働基準法改正のポイントと罰則回避の対策」と切っても切れないのが「給与計算」ですね。皆さんの会社では、2023年の法改正に合わせてどのような対応をされたでしょうか?

 

既に「給与計算システム」を導入している企業様の中には、手動で新しいプログラムをインストールしたり、システムへ取り込む前にExcelで計算をしているので、Excelの計算式を変更したりと対応に追われたのではないでしょうか?

 

給与計算は、労働基準法改正だけでなく、「育児・介護休業法」「障がい者雇用促進法」「労働者派遣法」「健康保険法」「労働保険料徴収法」「国民年金法」「厚生年金保険法」「確定拠出年金法」など、多種多様な利率計算と控除が必要となります。間違った支給でニュースになる企業も少なくありません。

 

今回は、給与計算に関わる法改正について2023年、2024年をまとめてご紹介。2024年以降の法改正には、どのように対応したら良いのか?をわかりやすくまとめました。

 

 

 

●2023年の法改正で給与計算に関わる法改正

 

■電子マネーによる賃金の支払が可能に<労働基準法>

 

労働基準法24条では「通貨(現金)で直接労働者に全額を毎月1回以上、一定の期日を決めて・・」支払わなければならないと定められていました。例外的な扱いで、労働者の同意を得た場合に限り、銀行口座への振込は認められてました。

 

2023年4月1日より「現金手渡し、銀行口座・証券総合口座への振込、労働者の同意を得た上で、一定の要件を満たした場合には、労働者の資金移動業者(デジタルマネー(PayPayなど))の口座への賃金支払を可能とする」となりました。

 

<出典:厚生労働省:労働基準法施行規則の一部を改正する省令案>

     https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001005110.pdf

 

■出産育児一時金の支給額が引上げ<健康保険法>

 

令和5年4月1日出産分から、出産育児一時金が50万円(産科医療補償制度に加入されていない医療機関等で出産された場合や妊娠週数22週未満で出産された場合の出産育児一時金は48.8万円)に引き上げられます。

<出典:協会けんぽ:健康保険法施行令等の一部改正に伴う出産育児一時金の引き上げについて(令和5年4月1日から)>

      https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat710/sb3160/sb3190/sbb3193/20230401/

 

■雇用保険料率の引き上げ<労働保険料徴収法>

 

一般の事業については、失業等給付分の料率が0.2%(労使負担分それぞれ0.3%→0.4%)、引き上げられます。育児休業給付分は0.4%(労使負担分それぞれ0.2%)、二事業分は0.35%のまま、全体として1.35%→1.55%。法律の本則に書かれた料率に戻るため、改正の告示などはありません。

 

<出典:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク:令和5年度雇用保険料率のご案内>

      https://www.mhlw.go.jp/content/001050206.pdf

 

 

■厚生労働大臣が定める現物給与の価額(食事)が改正<健康保険法>

 

厚生年金保険および健康保険の被保険者が、勤務する事業所より労働の対償として現物で支給されるものがある場合は、その現物を通貨に換算し報酬に合算のうえ、保険料額算定の基礎となる標準報酬月額が求められます。

 

 

<出典:日本年金機構:令和5年4月1日より現物給与価額(食事)が改正されます>

      https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2023/202303/0309.html

 

 

 

●2024年の法改正で給与計算に関わる法改正

 

■障害者雇用調整金等の見直しと助成措置の強化<障害者雇用促進法>

 

事業主が一定数を超えて障害者を雇用する場合、当該超過人数分の調整金や報奨金の支給額の調整と事業主の取組支援のため、助成金を新設します。

 

<出典:厚生労働省:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律案の概要>

     https://www.mhlw.go.jp/content/001000995.pdf

 

 

 

 

■健康保険・厚生年金保険の適用拡大<厚生年金保険法>

 

短時間労働者を被用者保険の適用対象とすべき事業所の企業規模要件の引き上げられます(100人超→50人超)。

 

<出典:厚生労働省:社会保険適用拡大特設サイト>

     https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/

 

 

■DCの拠出限度額の見直しについて<確定拠出年金法>

 

企業型DCとiDeCoの拠出限度額の算定について、すべてのDB等の他制度の掛金相当額を一律27,500円としているところ、加入者がそれぞれ加入しているDB等の他制度ごとの掛金相当額の実態を反映するよう改正されます。

 

<出典:厚生労働省:DCの拠出限度額の見直しについて>

     https://www.mhlw.go.jp/content/10600000/000708998.pdf

 

 

 

●毎年行われる法改正に対応するために

 

ここ数年、労働環境の改善や年金問題に対しての法改正が行われています。都度対応するには限界もあり、アナログで対応をしている企業では、担当者の退職などで煩雑になる企業も少なくないと思います。

 

少子高齢化時代に突入し、税制改革や法改正が進むとアナログでは対応しきれなくなることも念頭に、自社に合った「給与システム」の導入をお勧めしております。

 

【メリット】

  ・法改正に対応

  ・属人化を解消でき、標準化が可能

  ・給与計算を効率化できる

  ・コスト削減

  ・セキュリティの強化に役立つ

  ・マルチデバイスの対応が可能

  ・社内リソースの見直し機会の創出

  ・各種システム連携が可能

 

【デメリット】

  ・100%自動化はできない

  ・導入・ランニングのコストがかかる

  ・自社に合ったシステム導入がされない場合、コスト高

 

 

前回、ご紹介した「勤怠管理システム」同様に、メリット・デメリットも踏まえて検討いただくことをおすすめしております。

 

 

特に給与計算システムは、クラウド型とオンプレミス型があり、連携が可能であっても専門的な知識が無い場合、うまく組み合わせるのが難しいことも多々あります。

 

少しでも悩む場合には、ぜひ「ネットランド」へご相談いただければ、企業に合ったソリューションや連携サービスをご紹介いたします。

 

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