MDM(モバイルデバイス管理)とは?機能やメリット・デメリットと運用のポイント

セキュリティ対策

最終更新日:2023/08/18

MDMは、モバイルデバイス管理(Mobile Device Management)の略称です。モバイルデバイス管理は、企業や組織がモバイルデバイス(スマートフォン、タブレットなど)を適切に管理し、セキュリティを確保し、効率的な運用を行うための技術的なソリューションやプロセスを指します。

 

テレワークやデジタル化の拡大に伴い、企業がモバイルデバイスを貸与することも増えています。しかし、情報漏洩などセキュリティ上のリスクも増えるため、MDMはそのリスクを軽減するために利用されます。

 

 

 

MDMの主な機能

 

● デバイスの遠隔管理

IT管理者は、MDMソフトウェアを使用して、遠隔でデバイスの設定やセキュリティポリシーを変更し、デバイスの制御を行うことができます。

 

● セキュリティ

MDMは、デバイスに対してセキュリティ対策を適用し、不正アクセスやデータ漏洩を防ぐための機能を提供します。

 

● アプリケーションの配信

MDMを使って、企業が必要とするアプリケーションをデバイスに配信したり、特定のアプリの利用を制限したりすることができます。

 

● デバイスの監視とトラッキング

MDMを使用して、デバイスの位置や使用状況を監視し、紛失や盗難時にデバイスを追跡することが可能です。

 

 

 

【MDM(モバイルデバイス管理)のメリット】

 

1) セキュリティ向上

MDMは、デバイスにセキュリティポリシーや制御を適用することができます。これにより、デバイスやデータの紛失、盗難、不正アクセス、マルウェア感染などのリスクを低減します。

 

2) リモート管理

MDMを使用して、遠隔でデバイスの設定やアプリケーションの配信、更新、トラブルシューティングなどを行うことができます。これにより、デバイスの管理やサポートが効率的に行えます。

 

3) 生産性向上

MDMを活用することで、従業員は自身のデバイスを業務に利用できます。これにより、自分の使い慣れたデバイスを使用できるため、業務効率が向上する場合があります。

 

4) アプリケーション管理

MDMは、必要なアプリケーションを遠隔でデバイスに配信したり、特定のアプリケーションの使用を制限したりする機能を提供します。これにより、セキュリティやコンプライアンスを強化できます。

 

5) コスト削減

MDMの導入により、デバイスの運用やサポートに関連するコストを削減することができます。遠隔管理により、従業員がオフィス外でも作業できることで、柔軟な働き方の促進にもつながる場合があります。

 

6) データ保護とコンプライアンス

MDMは、データの暗号化やリモートワイプ(遠隔削除)などの機能を提供し、デバイスやデータの保護を強化します。これは特に、個人情報保護法などのコンプライアンス要件を満たすために重要です。

 

以上のように、MDMの導入によりセキュリティや管理効率が向上し、従業員の生産性が向上することから、多くの企業や組織で利用されています。ただし、導入には組織のニーズやポリシーに応じた適切な設計と実装が必要となります。

 

【MDM(モバイルデバイス管理)のデメリット】

 

1)プライバシーへの懸念

MDMはデバイスを遠隔で監視・制御することができるため、従業員のプライバシーへの懸念が生じる場合があります。特に、BYOD(個人所有デバイスの業務利用)を導入している場合、従業員の個人デバイスに対する制御が行われることに対して不満を抱くことがあります。

 

2)制約された利用体験

MDMによって、従業員がデバイスを利用する際に制約が加わる場合があります。例えば、セキュリティ上の制限や企業ポリシーによって、特定のアプリケーションの利用が制限されるなど、従業員の利用体験に影響を及ぼすことがあります。

 

3)セキュリティリスク

MDMはセキュリティを強化する一方で、管理者のアクセスが不適切に使用される可能性もあります。認証情報の漏洩や悪意のある管理者によるデバイスへの不正アクセスなど、セキュリティリスクがあることを考慮する必要があります。

 

4)インフラストラクチャへの影響

MDMの導入は、組織内のインフラストラクチャに影響を与える可能性があります。特に大規模な組織では、MDMの導入に伴って追加のリソースやサーバーが必要になる場合があります。

 

5)トレーニングとサポートの必要性

MDMの管理者や従業員に対して適切なトレーニングとサポートが必要となります。新しいシステムやポリシーを適用する際に、トレーニング不足や理解不足があると効果的な利用が難しくなることがあります。

 

これらのデメリットは、組織や導入方法によって異なる場合があります。企業や組織がMDMを導入する際には、利点とデメリットの両方を考慮し、組織のニーズに合った適切な導入を検討することが重要です。

 

 

 

■MDM(モバイルデバイス管理)を導入する際の一般的な進め方

 

 

組織の規模やニーズに応じて具体的な手順は異なる場合がありますが、一例として下記を参考にしてみてください。

 

①目的と要件の明確化

MDMを導入する目的や要件を明確化します。セキュリティ強化、効率化、BYODのサポートなど、組織のニーズに合わせた具体的な目標を設定します。

 

②ソリューションの選定

MDMの導入にはさまざまなベンダーが提供するソリューションがあります。組織のニーズに適した機能を持つソリューションを選定し、デモやトライアルを行って検討します。

 

③ポリシーの策定

導入前に、MDMの利用に関するポリシーやガイドラインを策定します。これには、従業員のプライバシー保護、デバイスのセキュリティ要件、アプリケーションの利用制限などが含まれます。

 

④テスト環境の構築

MDMのテスト環境を構築し、実際に導入前に動作や設定のテストを行います。テスト段階で問題を特定し、解決策を検討します。

 

⑤デバイスの登録と設定

MDMソリューションを使って導入するデバイスを登録し、セキュリティポリシーやアプリケーションの設定を行います。

 

⑥ロールアウトとトレーニング

MDMを本番環境にロールアウトする際には、従業員に対してトレーニングを行います。MDMの利用方法やポリシーについての周知を行い、従業員が適切に利用できるようサポートします。

 

⑦監視と改善

MDMの導入後はシステムの監視を行い、問題が発生した場合は迅速に対応します。また、利用状況や結果を評価し、必要に応じて改善策を検討します。

 

⑧サポートと保守

MDMの運用においては、定期的なサポートと保守が重要です。セキュリティパッチやアップデートの適用、新しいデバイスの追加、従業員の変更に対応するなど、持続的な管理が必要となります。

 

MDMの導入は計画的かつ段階的に行うことで、効果的に組織のニーズに応えることができます。導入前にステークホルダーとのコミュニケーションを重視し、MDMの利用に関するポリシーやガイドラインを明確にしておくことも重要です。

 

 

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